冬から春にかけて花壇を彩る花、パンジー・ビオラ。色も姿も多彩で、愛好家による個人育種が盛んな花でもある。そんなパンジー・ビオラの育種が宮崎を中心に広まっている。その理由はカリスマ育種家とも呼ばれている、川越ROKAさん(63)の存在があるからだ。
ROKAさんは園芸雑誌に特集が組まれるなど、愛好家の中では超有名なパンジー・ビオラの育種家。これまで生み出した花は数えきれないほどで、毎年100品種以上の新しいパンジー・ビオラを交配している。ROKAさんが育種を始めたきっかけは偶然見つけた小さなビオラ。その花との出会いをきっかけに、ROKAさんは育種の世界にハマったという。
また、自分の知識を惜しみなく伝えるROKAさんは、宮崎を中心に育種家の育成にも積極的に取り組んだ結果、全国でも宮崎が最もパンジー・ビオラの育種家が多い場所となった。ROKAさんとの出会いをきっかけにプロの育種家としてデビューをした主婦もいる。新し花の誕生の裏側を支えるROKAさんの日々を追う。
取材後記
ROKAさんは個人育種家でありながら、種苗会社から苗を預かり新たな品種開発のアドバイスも行っています。研究機関もたびたびハウスへ視察に訪れるそうですが、まず驚くのは苗の管理方法。風通しが良く、さまざまな虫が簡単に出入りできる自然に近い環境で育種を行っていることが、研究者たちの常識を覆すのだそうです。しかし、人工的に創り出す育種ですが徹底的な管理をしないことで想像以上の花が生まれる、ROKAさんはそれも育種の面白さのひとつだと話していました。
ROKAさんが発見したアルベンシスという原種により、日本の平成時代の個人育種が本格的に始まったパンジー・ビオラの育種の世界。多くの人にその系統は引き継がれ、新たな育種家が誕生しました。今では、ROKAさんの育種講座を受けたことがきっかけで、ありまさんのようにプロの育種家として活動している方々が宮崎にはたくさんいらっしゃいます。現在は後進の育成に奮闘しているROKAさん。全国各地で行われる育種講座はいつも満員御礼になるほど。
宮崎から日本全国、そして世界に誇るパンジー・ビオラの育種の世界はまだまだ広がり続けそうです。
(MRT宮崎放送/木山 奈緒)
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