2月下旬、糸島市の可也山へ行きました。お目当ては梅。小富士梅林という名所があり、例年2月下旬には見ごろを迎えます。それを狙って早くから予定を立てていたのですが……。実際行ってみると見ごろどころか、一輪も咲いていない木がほとんどでした。
この冬は大変寒く、特に2月は立て続けに寒波に見舞われ、九州北部の2月の平均気温は、平年より2.1度低くなりました。2月の気温が平年を2度以上下回ったのは39年ぶりのことです。
この寒さによって各地で梅の開花が遅れ、太宰府天満宮の飛梅は過去30年で2番目に遅い開花となりました。
なぜ寒いと梅は開花しないのでしょうか。
それは、寒い時期は虫が少ないからです。ミツバチやチョウなどの花粉を運んでくれる虫がいないと、梅は開花しても受粉ができません。そのため虫たちが活動を始めるような暖かさにならないと、梅にとっては開花しても仕方がないのです。
そんな梅が、今になってようやく見ごろを迎えています。これからゆっくり梅を楽しみたいところですが、2週間後には桜の開花が迫っています。
福岡の桜の開花予想は平年並みの3月22日。このままいくとこの春は、梅と桜を同時に楽しむことができるかもしれませんね。
横尾槙哉=RKB気象予報士・防災士
毎日新聞福岡版 2025年3月8日掲載
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